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 荒川水系渓流保存会 会報 第18号 (2004年)
●荒川水系渓流保存会会報 第18号  編集責任 黒沢和義
《イワナの飼育と採卵》 須崎武男
今期はイワナの発眼率を上げるための方策として、次のことを行いました。
@水温を下げるための工夫
 発眼率が悪い原因として、水温が高いことが考えられました。そこで、飼育池を寒冷紗・よしずで覆い、タイマーで1日2回水がかかるようにしました。この結果最高水温が16℃におさえられました。毎年18℃まで上がり、19℃になることもありました。今年の猛暑のことを考えると3℃ほどは下げられたと思います。
◆ 寒冷紗による遮光
◆ タイマーによる散水
A採卵時期を遅らせる
今まで、2回行っていた採卵を11月7日、1回としました。無理なく採卵でき、また過熟卵もなくも無く最適な時季だったと思います。採卵を遅らせることにより、水性菌による害も少なくできたのではないかと思います。 
◆ 採卵の様子
B吸水
シャワーにより、水がかかり吸水できるようにしました。十分吸水し堅くなった授精卵を孵化盆に移すようにしました。
◆ シャワーによる吸水
C筒型孵化器の使用
授精卵をなるべく薄く孵化盆にのせ、卵どうしがくっつき合わないようにしました。このことにより、発眼卵になる前の検卵作業を省けるようになりました。また筒型孵化器も使いました。
◆ 筒型孵化器
○成果と反省

これらの方策により発眼率を大幅に上げることができました。発眼後死んでいく卵もありましたので、発眼率は70%近くになったのではないかと思います。特に、筒型孵化器の結果がよかったです。死卵を除くと、ほとんどがきれいな発眼卵でした。
 今回は、飼育池生まれの3年魚で採卵できたことも良い結果につながったのではないかと思います。反省点としては、水の管理です。取水口のパイプがはずれていたために、水量が減少し、筒型孵化器の1本目以外ではかなりの死卵がでてしまいました。
 また、孵化盆と孵化水槽の間に隙間があったために、第2孵化水槽では、死卵が多くなってしまいました。次回は水の管理も徹底し、発眼率の向上を目指したいと思います。明るい見通しが立ってきたと言えます。
 今後もご協力のほどよろしくお願いします。
在来イワナの採捕            大村和也


2004年も7月4日(日)に入川大荒川谷(金山沢)において在来イワナの採捕を行いました。参加者は須崎会長をはじめ、書上さん、阿部さん、吉瀬さん、厚目さん、藤木さん、大村の7名でした。全員が渓畔林やゴンザの滝を見学しながら魚止めまで行きました。しかし、他の入渓者もあり、イワナの反応も今ひとつで採捕できたのは7個体でした。採捕したイワナは生川の池まで大事に運び、その後アブラ鰭を切って池に入れました。池では昨年捕獲した個体が少なくなってしまうという状況になりましたが、残った個体と新個体とで秋の採卵に役立ってほしいものです。
◆ 金山沢にて、悪場を登り、在来イワナの採捕に向かう
   参加者
◆ 大きな滝の前で記念の写真を撮りました。
   参加された皆さんお疲れ様でした
2004年度の大滝村紅葉まつり      大村和也
10月31日、今年も紅葉まつり(源流まつりから改名)に出展しました。参加者は書上さん、厚目さん、佐藤さん、大村の4名でした。今回は、生きたイワナの展示はなくし、パネルを主としました。内容は
@保存会の活動内容
A秩父イワナについて
B秩父イワナが危ない(2004年の生息状況調査報告)
C滝川で捕獲された他産地イワナと他地域の在
 来イワナ
D日本産イワナの仲間
E大滝村の滝(書上さんの力作)
F会報   
でした。
(『渓流の魚・イワナの謎』(秩父テレビ)も流す予定でしたが、機器のトラブルでできませんでした。
 2005年の市町村合併を控え、大滝村としては最後の紅葉まつりになりましたが、心配された雨も前日に上がり、例年にない多くの人に展示物を見て頂きました。また、新しい会員を迎えることもできました。
◆ 紅葉まつりの様子です
『2004年の秩父イワナ釣査を振り返って』 
厚目順
 2004年は都合21回荒川水系の渓を釣査しました。
主に入川、滝川、大洞川の奥域及び支流を中心に釣査を行いましたが、全体として年々秩父イワナは少なくなっている印象を受けました。
 特に入川流域は柳小屋がある為か入渓者が多いらしく、個体数はかなり少なくなっていました。ここは秩父でも貴重な原生林の残る地域で秩父イワナの生息に適した環境であり、禁漁区の設定等早急な保護措置が必要と思われます。
 また滝川流域では多くの他県産イワナが定着しています。支流の曲沢は魚止まで白斑イワナが遡っており、完全な異種の谷となっています。滝川源流で流入するブドー沢は上流に行く程白斑イワナの比率が高くなり、恐らくは雁峠側から源頭放流されたものと思われます。これらの支流が種沢となって滝川本流のイワナは異種との交雑が進んでしまい無秩序な乱放流の禍が深刻化しています。滝川の在来イワナは極一部にかろうじて残っているに過ぎません。
 反面思わぬ処で在来イワナの生息を確認できた川もありました。今後も生息釣査を続け、魚止が確認できた谷では下から上への移殖も考え秩父在来イワナを保護できればと思います。
 釣査にご一緒いただいた会員の皆様、有難う御座いました。
◆ 滝川曲沢の白斑イワナの写真です




 総会開催します
 1、日時 2月27日(日)  午後1時〜
 2、場所 秩父婦人福祉会館 1階 第4会議室
 3、住所 秩父市野板町1-13-14
       TEL 0494-22-4050
 
 連絡先
  Eメール <mailto.amp@bb.wakwak.com>

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