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 荒川水系渓流保存会 会報 第14号 (2002年)
●荒川水系渓流保存会会報 第14号  編集責任 黒沢和義
この1年の成果 須崎 武男
この1年、昨年の活動内容をさらに推進することができました。
・調査活動では、大洞川・浦山川の調査が進みました。さらに、この調査結果を、調査発表会で確認でき、各河川のイワナの特徴をまとめることができました。また、今後の調査予定地の確認をすることもできました。
・イワナ保護啓発活動としては、黒沢さんに作成して頂いたポスターを多くの場所に掲示することができました。大滝源流祭りにも参加し啓発活動を行うことができました。
ホームページによる効果も出ています。ホームページを見ての入会者も増えています。また、稚魚放流の新聞報道も効果的で多くの人から問い合わせがありました。
・飼育では、1年魚 およそ850匹 2年魚110匹 4・5年魚120匹ともに元気に泳いでいます。4・5年魚は、すでに50センチほどの見事なイワナになっています。
・採卵では、水産試験場の方のご指導を受けることもできました。採卵結果では、残念なことに受精率を高めることはできませんでした。ただここで、この原因は授精方法の問題ではなく、精子等、イワナ自体の問題ではないかということが分かってきました。今後も水産試験場の方のご指導を受け新たな方法に挑戦し、授精率を高めるべく努力したいと考えます。

・今年は、新たに「渓流の調査・河川観察会」を目標としました。イワナの調査を行うだけでなく、そのイワナを育む河川、その河川の源となる森林にも目を向けようと考えました。「瀬音の森」のご好意により、この会の勉強会に参加させてもらい有意義な時間を過ごさせて頂きました。
みなさまのご協力により本年の活動も十分な成果をあげることができました。みなさまのご協力に感謝いたします。

2002年の採卵作業報告 関口 英雄
早いもので、今年も岩魚の採卵の季節となり、下記の日程で採卵作業を実施しました。
10月20日‥採卵準備及び手順説明。
10月27日・・採卵。
11月 3日・・採卵、池の清掃。
*10月27日には、熊谷水産試験地の方にご指導をいただき、雌およそ80匹から約8万粒の採卵を行うことが出来ました。
採卵状況について。採卵した個体は、池で4年と5年飼育した親魚を使いました。大きなもので体長は50cmほどもあります。作業の効率を高めるため、数人で作業分担をし採卵を行いました。今年、少しでも授精率を上げるため、≪洗卵≫作業を入念に行いました。
また、オスの精子の活動状況も、顕微鏡で確認しました。
今回、初めて採卵に参加した方にも積極的に参加していただき、多くの皆様の協力のもと無事採卵を終了することができました。飼育を担当者として、大変喜ばしく思いました。これからも、多くの皆様に池に足を運んでいただき、ご協力頂きますようお願いします。
今年の授精卵も、12月上旬には発眼卵になり、1月下旬ごろには、孵化し始めます。餌付くまでが一番神経を使う時です。
少しでも沢山の稚魚を放流出来るよう一生懸命飼育して行きたいと考えます。意見等御座いましたらどしどし連絡して頂けたら幸いです。
*洗卵‥生理食塩水の中で卵子を洗い、潰卵・血液・糞尿を取り除くこと。潰卵や血液中の蛋白質が、精子の活動を妨げるため。

オスメスの選別と
成熟度のチェック

子供達や初めての人は
興味津々です

成熟したメスから採卵します

採卵した卵にオスの
精子を注ぎます

真剣に慎重に
採卵作業を進めます

1回に6匹の親魚からこれ
だけの量が採卵でき、
これを繰り返します

採卵後、くつろぐ参加者。
須崎会長からいろいろな話が出てきます

軽く一杯飲むのも
楽しみのひとつ

受精卵をトレイに移しました
採卵作業に参加して 厚目 順
初体験の採卵作業は十月中旬の準備から二回の採卵、親魚幼魚の数の確認等あっという間に一ヵ月が経過した感じです。真に悪戦苦闘の連続でしたが、濃い橙色の斑点をもつ巨大な岩魚に麻酔をかけ卵をしぼり人工受精を行う一連の作業は貴重な体験でした。素晴らしい自然環境の中で育つ岩魚達を羨ましく思いつつ、水の安定確保や温度管理等日々の地道な活動を通じ自分達で秩父岩魚を守ろうという会員諸兄の熱意に頭が下がる思いです。

東大演習林勉強会に初参加 近藤 和麻
 秩父イワナが生息する清流を作り出す環境を知るために、当会会員の黒沢和義さんが設立した『瀬音の森』の行事である「東大演習林勉強会」(10月19日・20日)に初めて参加しました。
 当会よりの参加者は、黒沢さん(『瀬音の森』会長)、大村さん、書瀬さん、藤木さん(以上『瀬音の森』会員でもある)、須崎会長、関根さんとその一良子さん・娘さん、そして近藤でした。
 人川渓谷の森林軌道を歩き、赤沢尾根まで登り、昼食後Uターンして来たのですが、その途中、要所要所で今回のリーダーである大村さんによるブナなどの樹木やカエデの種類などの説明、そして吉瀬さんによるきのこの種類の解説があり、とても有意義なものでした。また、昼食時には、関根さんがどこからともなく大量のきのこを抱えるようにして戻り、驚かされました。
 帰路は、イワナが産卵床でペアリングする様子も観察することができ、『瀬音の森』の会員の皆さんも感動しておられました。
 今回の勉強会は、1泊2日で夜学に吉瀬さんを講師とした「秩父イワナビデオ鑑賞」のスケジュールも組まれており、ペアリングの様子を『瀬音の森』会員の皆さんに観察して頂けたこともとても良かったと思います。(当会のみの会員は、翌日の採卵準備の都合もあり、日帰りで失礼しました。)
 釣査・釣行時の山歩きは、急ぎがちになってしまうものです。今回の勉強会で、少し早い時間に納竿し、ゆっくり山を楽しむことを学びました。


入川の森林軌道を
歩く参加者

赤沢尾根で樹木の
解説を聞く参加者

保存会のメンバーも
たくさん入ってます

大きなイワナの
ペアリングが見えた
2002年度の大滝村源流まつり
吉瀬 総
 10月27日、今年も源流まつりに出展しました。
 昨年は、成魚を展示したのですが、展示した魚が死んでしまうというアクシデントがありました。
 今年は、展示する魚はゼロ歳魚とし、数も少な目として、なるべくストレスのかからない方法で展示しました。
 これは、黒く塗った枠の中に水槽をいれるという、新井教夫さんの苦心作で、画期的なものでした。
 今年はまた、会報などの展示に加えて、テレビとパソコンを設置し、テレビではわたしと大村さんが出演した『渓流の魚・イワナの謎』(秩父テレビ)を流し、パソコンでは、わたしのイワナCDをお客さんに見てもらえるようにしておきました。
 昨年とちがい、天気がよかったので、お客さんも多く、ずいぶん多くの方に秩父イワナの存在をアピールすることができ、新しい会員を迎える人もできました。
 また、魚はすべて無事、生川の池に戻ってきました。

大勢の人が訪れてくれました

新井さん特製の
水槽カバー
イワナの調査報告会が開催されました
大村 和也
12月8日(日)に秩父福祉婦人会館において、調査報告会が開催されました。参加者は須崎会長以下12名でした。
本年分はもとより、これまでの調査で得たイワナの画像を横瀬町、浦山、大滝村と地域別にスクリーンに映し出して、その形態的特徴について意見交換を行いました。
一度に多くの画像を見ることによって、地域の特徴や普段ではあまり気に止めていないことの再発見等があり、たいへん有意義なものでした。
また、吉瀬さん作成のビデオ「イワナの謎を追う」の鑑賞や、大村からはイワナの遺伝子解析についての経過報告がなされました。


自己紹介をしました

ビデオを見る参加者


大村さんによる遺伝子解析の
報告を聞きました

ビデオに映った
吉瀬さん


チチブイワナ

ヨソ物イワナ
総会 2月9日(日)午後1時より 福祉婦人会館
にて
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