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 荒川水系渓流保存会 会報 第11号 (2001年)
●この1年の成果 ●滝川の放流イワナの分布
●「源流まつり」に参加しました
●荒川水系渓流保存会会報 第11号  編集責任 黒沢和義

この1年の成果
                                                須崎 武男
 この1年で、イワナの保護活動は躍進することができたのではないでしょうか。それは、いろいろな団体に協力を求め、成果を上げることができたからです。まず、大滝村では千島村長さんにも説明を聞いていただきました。その結果、大滝村の広報誌への連載、大滝源流祭りの参加が決まりました。
 漁業組合では、斉藤組合長さん、加藤理事さんたちとも話し合いができ、イワナ保護ポスターへ秩父漁業組合の名称を入れることの承諾を得ることができました。
 水産試験場では、熊谷試験地の大倉さん・加須支所の大友さんそれぞれに、飼育池まで来ていただきました。また、直接伺ってご指導いただきました。朝日新聞の田中さんには、4月21日 10月29日の2回にわたり、関連記事を掲載してもらいました。
 斉藤裕也さんには、保護活動の進め方についてご指導いただきました。
 このほかにも多くの方にご指導いただき、協力関係を深めることができました。
 イワナの生息調査では、さらに大滝の調査を深めると共に、横瀬町についても調査し、その結果をまとめることがでさました。
 また、飼育採卵では、昨年の11月に採卵し孵化したイワナの稚魚が20センチほどに成長しています。そして、今年の採卵では、およそヤマメ−2万粒 イワナ−8万粒の卵をとることができました。
このイワナの卵が順調に成長するならば、来年には放流することができます。漁業組合と連携し、共同事業として放流ができればと考えます。
 このイワナの保護活動は、本会だけでは進めていくことはできません。今後も他機関との連携をとりながら、秩父イワナを次世代に残すための保護活動を推進します。
 今年は、飼育池に来てくれる人の数も増えました。みなさまのご協力に感謝いたします。



右:今年のイワナ採卵の様子です。
8万粒の卵が孵化して大きく育つことが希望です。
下:昨年の採卵から成長した稚魚の写真です。こんなに大きくなりました。


滝川の放流イワナの分布
                                                 吉瀬 総

 滝川には、ヤミ放流されたと思われるイワナが、主として3系統生息しています。

A)古礼沢と水晶谷の出合〜釣橋小屋のとある地点(*)から下流に生息域を広げつつある個体群

 昨シーズンには、アメマスに近い個体がいたが、今シーズンからは、在来イワナとの交雑種らしき個体に入れ替わっている。この個体群は、体長12〜15センチほどで、2年魚だと思われ、完全にアメマスという感じではない。
 *これはまだ特定できていない。考えられるのは、古礼沢と水晶谷の出合から下流、もしくはブドウ沢出合から下流であるが、わたしの憶測では、後者のような気がする。これは、ブドウ沢出合から古礼沢出合までの区間を調査しないと、明確な結論が出ません。

 この系統を放流したのは、とある釣り人だという話を聞きました。
 放流されたのは、一昨シーズンかその前くらいではないかと思われます。

B)ブドウ沢に定着している個体群

 白斑は明確だが全体に黒っぽく、アメマス的な体色ではない。東北系のニッコウイワナ。
 これはすでに定着している。
 この個体群は、とある源流釣りクラブのメンバーが私的に放流したという噂を以前聞いたことがあります。

C)豆焼沢下流に定着している個体群。

 豆焼沢支流のワサビ沢から放流された個体の末裔。上流から落ちてきた在来種とすでに交雑して、定着しています。
 これは、国道工事の飯場で飼育されていたもの。

D)その他の支流の個体群

 滝川支流の曲沢で放流魚らしき個体群を吉瀬が確認。左岸山道が沢を横切る付近に、集中して生息しています。特徴としてはAに似ている感じ。
 滝川支流槙ノ沢のまた支流八百谷で白斑イワナが釣れたという情報あり。未確認。

 A〜Cの3系統は、生息域を滝川下流に順次拡大しつつ、在来種と交雑して定着しています。
 これらの密放流によって、滝川の在来イワナは、最源流といくつかの支流に残存するのみであり、本流域のほとんどは、「遺伝子汚染」によって、取り返しのつかない状態におちいっています。


「源流まつり」に参加しました
                    大村和也

●源流祭りでポスターや会報を展示する吉瀬さんと大村さん

10月27(土)、28日(日)に大滝村で「奥秩父大滝・源流まつり」があり、二日目の祭り広場(大滝中校庭)の大滝特産市場「テント村」に秩父漁協大滝支部の御協力を得て荒川水系渓流保存会として初参加しました。

池で飼育していた40cmを超える「秩父イワナ」8匹(雄7、雌1)を水槽に入れての展示と秩父イワナと他産地イワナの説明付きの写真、大滝広報と保存会会報のパネル展示を行いました。
 当日は、早朝6時から準備作業が始まり、先陣をきって副会長の新井さんと長谷川さんが、イワナを入れる大型水槽(150cmX60cm)を会場まで運び、水道水を入れた後、カルキ抜きをしてイワナの到着を待ちました。一方、吉瀬さんと私は、池に行ってイワナを捕獲し、ケースに入れてブクブク(酸素供給器)をセットして慎重に運びました。

 イワナを水槽に入れると祭り役員や朝早くから来た観光客の人たちがテントを訪れ、その大きさと橙斑のある綺麗な姿に皆一様に驚いていました。また、パネル展示にも関心を持って頂きました。
 しかし、祭りが賑やかになってくると突然1匹の様子がおかしくなりはじめたので水槽の3方向にカバーする村策を試みましたが、その甲斐もなく昼前にはすべてのイワナが死んでしまいました。

 4年間池の中で静かに生活してきたイワナにとっては、祭りの人や音、更に隠れる場所もなかったので、大さなストレスになったものと推測されます。
 終了間際にはイワナの採卵作業を終えた横手さんも応接に駆けつけてくれ、片付作業もスムーズに出来ました。

●あいにくの雨でしたが、熱心に見入る人が沢山いました。

 今回は生きたイワナの展示ということで写真とは比較にならないくらい、その存在を大滝村の人を中心にアピール出来たと思いますが、全てが死んでしまうという残念な結果になってしまいました。
今後はこのような事態の回避方法を検討した上で、更に多くの人に秩父イワナを見て頂き、保存会の活動に貢献できたら良いのではないかと考えています。


お知らせ
イワナ勉強会
1、日時

2、場所

3、住所

 11月25日(日)
 午後1時〜
 秩父福祉婦人会館
 1階 4号会議室
 秩父市野坂1−13−14
 TEL 0494−22−1050
総会
1、日時

2、場所

3、住所

 1月27日(日)
 午後1時〜
 秩父福祉婦人会館
 1階 4号会議室
 秩父市野坂1−13−14
 TEL 0494−22−1050

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