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 稚魚の飼育実験 (2001年6月24日〜7月8日)

 秩父イワナが孵化してから約半年が経ちました。今まで順調に成長してきたのですが、最近死魚数が増えてきました。6月10日に半数を外の池に移し、残り半数を今まで通り水槽で飼育していましたが、水槽で死ぬ数が目立って多いのです。6月に入り1週間に平均して50尾、多いときは80尾死んでいます。外の池では確認できたのが2尾だけ。死ぬ個体のサイズは大型から中型で、小型は生存率が良いです。
 世話に来て、残ったエサやフンを取り除いているときに、元気に泳いでいた魚が急に横にり、そのまま死んでしまうこともありました。

 我々ではどう対応したらよいのか解らず、以前からお世話になっている埼玉県の水産支所に相談したところ、加須水産支所の大友さんが翌日来て下さり、飼育状況の確認と、生魚・死魚・水を持ち帰って検査していただくことができました。


飼育状況をチェック

大友さん(左)と須崎会長
 検査結果はその日の夕方に連絡があり、魚体(エラ等)はきれいで「エラ病」ではないだろうとのこと。死に方から推測してウイルス性の病気でもないだろうとのことでした。水産支所の迅速な対応に感謝しています。

とりあえず1つの水槽で塩浴(1%の塩水に1時間放置する)を行い、他の水槽との比較を行いました。
2日後にはどの水槽にも数匹の死魚があり、その差は見られず、病気ではないと判断しました。

残るはストレス原因説です。

稚魚の段階ではステンレス製の水槽を使用しています。鏡とまではいえませんが、良く反射します。また、稚魚の状態を観察しやすいように、水槽の中には何も入れていません。自然とは異種の環境です。

そこで実験することにしました。

3種類の環境を作り、ほぼ同じサイズの魚を同数入れて比較するのです。
その環境は以下のようにしました。(写真左から)
 1.底に砂利を敷き、周囲をブリキの波板で囲む。(魚にはステンレスが見えなくなる)
 2.ブロックを沈める。(ブロックの穴に隠れることができる)
 3.なにもしない。(今まで通りステンレスのまま)
それぞれに5尾入れました。


1.底:砂利、周囲:波板

2.ブロック

3.なし

2週間実験した結果は、

水槽NO
1週間後 死1(残4) 死0(残5) 死3(残2)
2週間後 死1(残3) 死1(残4) 死1(残1)

成績が良いのは水槽NOで 2、1、3 の順でした。


この結果から判断すると、黒い水槽で飼育し、死魚が出始めたら外の池に移すのが最良のようです。


その他注意点として
(1) 水槽1は、エサやフンが砂利の間に入り、掃除が大変です。
(2) 水槽2は、ブロックを取り出し再度入れるときに、魚がブロックの下に隠れようとするので、潰さないようにすること。

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