資 料

     秩父在来イワナの保護にむけて
2000年1月30日(大村和也案)
1.目的
 秩父在来イワナを保護することを目的に関連の調査を行い、関連組織に保護対策案を提案する。

2.在来イワナとは
・地域の貴重な個体群---在来種イワナは我が国においてはアメマス(エゾイワナ)、ニッコウイワナ、 ヤマトイワナ、キリクチ、ゴギの系統があり、秩父地方に生息する ニッコウ系イワナにおいても着色 斑点の相違など、その地方特有の姿をしている。
・山村文化---古くから山奥に暮らす人間とも深く関わりがあり、山村文化を示す一つの存在でもある。
 先人の放流による生息場所の拡大(生業等)。

3.なぜ、個体数が減少しているのか
・生息場所の特性と悪化、減少---生息場所は山岳渓流という限られた地域である。森林の伐採、水資源の開発、道路の整備など。
・捕獲---捕獲圧等。

4.どうすれば減少を止められるか
・生息環境の再生と保護(河川をはじめ渓畔林、周辺森林)    森林等所有者の理解。
・捕獲の関する規制---捕獲の権利(漁業権)は漁業協同組合にある。

5.関連組織への働きかけ
・科学的見地から国有林、県、漁協等に提案---データが必要(東大演習林のバックアップ)

6.調査事項(案)
・秩父在来イワナの歴史および写真撮影等による容姿特徴の調査
・DNA分析---県水産試験場熊谷支場との連携(現在、打診中)
・真の沢における現存量と入漁者数・捕獲量の調査
・渓畔林の再生に関する研究---秩父演習林、瀬音の森

【附】考えていること
「種の保存、そして渓流魚たちとの共生」を掲げ、荒川最源流部真の沢に生息する秩父在来イワナを周辺の森林(森林生物遺伝資源保存林)と共に自然生態系を構成する生物の遺伝資源および山村文化を指標する生物として保護し、後世に残す。また、その下流域においても渓流魚との共生を目指す。人々が原生の森林、在来の渓流魚に触れ、その素晴らしさを知ることで、また次世代へと継承されることを願う。

森林生物遺伝資源保存林とは---国有林で森林と一帯になって自然生態系を構成する生物の遺伝資源を森林生態系内に保存し将来の利用可能性に資する森林(秩父山地保存林は甲武信岳周辺の原生林、面積約2,100ha、平成9年3月設定)


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